模試の判定が返ってきたら、まず答案の「中身」を親子で見てみませんか
秋は模試の結果が次々と返ってくる時期です。判定の欄に並ぶアルファベットを見て、思わず胸がざわついた保護者の方も多いのではないでしょうか。
「この判定で大丈夫なのか」「もっと勉強させなければ」。そう感じるのは、お子さんを真剣に思っているからこそです。ただ、模試の結果は、判定の文字だけを見ていると大切なことを見落としてしまいます。今回は中学受験を中心に、教室で私たちが模試の結果をどう見ているのかをお伝えします。
判定の文字より先に、「どの模試か」「いつの模試か」を見る
同じ「C判定」でも、その意味は模試によって、また時期によって大きく変わります。
模試にはそれぞれ出題範囲があります。中には、塾のカリキュラムではまだ扱っていない単元が含まれている回もあります。まだ訓練していない問題が取れていないのは、ある意味で当然のことです。そこが取れていないことを理由に、お子さんを責める必要はありません。
また、同じ点数でも、夏の模試と秋以降の模試とでは受け止め方が変わります。時期によって、私たちがお子さんにかける言葉も変えています。
大切なのは、答案の「中身」
私たちが模試の結果で一番時間をかけて見るのは、判定よりも答案の中身です。
- この時期のこの子なら、この問題は取れていてほしい
- この問題は、今はまだ取れなくても大丈夫
- この単元は、志望校で特に問われるので早めに固めたい
このように、一問一問を「取るべき問題だったか」で分けて見ていきます。取るべき問題を落としているなら、そこが次の一か月の課題です。逆に、難しい問題を落としているだけなら、判定が悪くても慌てる必要はありません。
そして、何を「取るべき問題」とするかは、目指す学校によって異なります。学校ごとに、求められる力や出題の傾向が違うからです。だからこそ、判定という一つの物差しだけで良し悪しを決めず、志望校に照らして答案を読むことが大切です。
「肝が冷えた」経験は、立て直しのきっかけになる
教室で実際にあったことをご紹介します。
ある生徒は、秋の模試で思うような点数が取れませんでした。「この時期にこの点数だと、ちょっと真剣にやらないとね」。そんな話をしたところ、本人の中で何かが変わったようでした。翌月には成績を立て直し、そこからは大きく崩れることがありませんでした。
一度ひやりとした経験は、決して悪いことばかりではありません。自分の現在地を知り、本気になるきっかけになることがあります。
反対に、気をつけたいのは結果が良かったときです。「良かったから大丈夫」と気が緩むと、次の模試で途端に下がってしまうことがあります。良い結果のときこそ、取れた理由と、まだ取りこぼしている問題を確認しておくと安心です。
結果を「次の一手」に変える力を育てる
模試は、合否を占うためのものではなく、次に何をするかを決めるための材料です。
うまくいかなかった結果を受け止め、自分で課題を見つけて、もう一度取り組む。この経験は、受験が終わった後も、お子さんが人生のさまざまな場面で使える「生きる力」になります。結果が悪くても「自分はやり直せる」と思えることは、自己肯定感の土台にもなります。
だからこそ、保護者の方には、判定の文字で一喜一憂するよりも、お子さんと一緒に答案を見ていただきたいと考えています。
今日からできること
模試の結果が返ってきたら、次の3つを試してみてください。
- 判定より先に、答案を一緒に開く
- 落とした問題を「取るべきだった問題」と「今はまだ取れなくてよい問題」に分ける
- 「取るべきだった問題」から、次の一か月で取り組むことを一つだけ決める
どの問題を取るべきだったのかの見極めは、ご家庭だけでは難しいこともあります。迷ったときは、塾や学校の先生に答案を見てもらうのも一つの方法です。一人で抱え込まず、お子さんの次の一手を一緒に考えていきましょう。

